ガラスの化学② あなたの周りのすごい元素

公式コラム

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すっかり寒さも増してきたこの頃です。そんな寒さが染み渡る日は、自宅や落ち着くカフェで温かいコーヒーを飲みながらSNSのチェックや気ままなネットショッピングと、まったりしてリラックスするのもいいですね。

さて、前回のブログでは、ガラスという身近な素材のお話をさせて頂きました。

今回は、実際にガラスやケイ素から出来た、すごい素材を紹介していきたいと思います。皆様も身の回りでケイ素が利用されている製品を探してみて下さいね。

身の回りのすごい素材 ケイ素

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結晶とは、その構造が綺麗に並んでいる状態であることを、前回ご紹介しました。結晶状のケイ素で有名なのは、皆さんも宝石としておなじみの水晶でしょう。

純度が高いものは透明もしくは白っぽいですが、不純物や結晶構造の一部に乱れがあることで紫、黄、赤、黒など様々な美しい色の変化を見せます。

また、水晶には圧電体と呼ばれる性質があり、電圧をかけると規則的に振動する面白い性質があります。水晶は英語でQuartz(クオーツ)と言いますが、電池で動く時計をクオーツ時計、と呼ぶのもここから来ています。

それまでは歯車やネジを組み合わせて動いていた機械式時計が、安くてはるかに正確に動く水晶時計に置き換えられていったのです。

さて、この水晶ですが、地球の内部で溶けた岩などの鉱物が、長い年月をかけて冷やされることで、ケイ素と酸素の純度が高まった部分が出来て、綺麗に並ぶことで生成されます。
 
急冷された場合や、水などを多く含んで冷えた場合は綺麗に結晶構造を取れずに一部がアモルファス(非晶質ひしょうしつ)として固まることがあります。まるで「だるまさんが転んだ」のように、不意に鬼が振り返って無理な姿勢でストップしたみたいですね。
シリカゲル:乾燥剤
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湿気を吸い取り、食べ物や服などが傷むのを防ぐシリカゲル。よく見るとシリカ、と名前が付いているようにケイ素が主体のアモルファス物質です。 多孔質たこうしつといって、非常に小さい穴がたくさん開いたスポンジのような構造をしており、穴の無い完全な球と比べて表面積が非常に大きいことが特徴です。

その表面積はスプーン1杯でサッカー場ほどの広さになると言われます。この構造によって水を吸着して湿気を取ることができます。

珪藻土:バスマット
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バスマットやコースターとして人気の、珪藻土けいそうどのマット。足の裏に付いた水分を急速に吸い取ってくれて、そのまま置いておくだけで自然に乾燥して再使用できる、非常に便利なグッズです。 さて、この珪藻土の正体は…なんと「化石」です。驚きですね!
 
珪藻けいそうという非常に小さな植物プランクトンは、人間がカルシウムで骨を作るのと同じように、体の骨格としてケイ酸で出来た構造を作ります。死んだ珪藻は海の深くへと沈んでいき、ケイ素の骨格だけが貝殻の様に残ります。その珪藻の殻が集まって出来た化石が珪藻土、という訳です。
 
この珪藻の殻は、先ほどのシリカゲルの様に小さい穴がたくさん開いた多孔質構造であるため、これが水を吸い取ってくれます。またケイ素で出来ているので腐ったりせず、安全で安定なことからバスマットの素材として着目されました。
 
ご自宅に珪藻土マットがある方は、是非この小さな藻類たちの化石にロマンを感じて、大切にしてあげて下さいね。ちなみに水の吸いが悪くなった時は、珪藻殻の小さな穴が汚れで目詰まりを起こしている場合があるので、粗いサンドペーパーでごく軽く表面を削るだけで、また新しい珪藻の表面が出て来て水を吸うようになります。
シリコンウエハ:半導体 基板
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スマホはもちろん、パソコンもテレビも電子レンジも、実験用の高価な装置までも、あらゆる電化製品には電子基板が組み込まれています。電子基板を見てみるとプラスチックの様な板の上に金属の道のようなものがあると思います。

あのプラスチックの様なものは半導体といって、金属のような電気を非常に良く通す物質と、ゴムのような電気を全く通さない物質の間くらいの導電性を持つ物質で、電子基板の基材に使われます。この半導体基板の多くにケイ素が用いられ、シリコンウエハ(シリコンウェハーまたはシリコンウェーハ)と呼ばれています。

当然、皆さんが今お持ちのスマホやパソコンにも、メモリ、CPU、フラッシュメモリと様々な電子パーツが使用されていますが、ここにも半導体という特殊な性質を持つスーパー素材としてのケイ素が活躍しています。

コーキング・シーリング:充填剤
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皆さんがお住まいのお部屋を想像してみましょう。屋根や外壁で囲まれて、キッチンやお風呂、床板等のパーツが組み合わさって出来ています。では、これらのパーツはどうやってくっついているでしょうか?

例えば木の柱同士なら釘や金属ボルトで固定していますし、鉄筋ならコンクリートで固めてあるかもしれません。では、外壁同士やお風呂のバスタブと壁の隙間は何でくっついているでしょうか?

これらの隙間はゴム状のパテのようなもので埋められていると思います。この材料をシーリング剤やコーキング剤と呼びますが、これにシリコーン樹脂が用いられることがあります。

シリコーン樹脂は非常に安定で強いというケイ素が持つ性質と、ゴムのような弾力を兼ね備えた素材で、他の安い有機樹脂製のコーキング剤と比較して、太陽光や水分、熱に強い特徴があるため、住宅用材料としてもうってつけなのです。

ナノナイン.comのスマホコーティングもシリコーン樹脂の柔軟性とケイ素の安定性や強度を併せ持った製品です。是非、他の安価な有機フィルムと比較してみて下さい。

実はさまざまな場面で活躍しているケイ素

今回は結晶やアモルファスの生成や、身の回りで活躍する様々なケイ素についてご紹介しました。思っていたより身近で、また多くの場面で活躍しており驚いたのではないでしょうか。

そんなスーパー素材のケイ素ですが、見直してみると共通点があります。それは、安定かつ無害なので様々な産業で利用しやすい、という点です。

窓ガラスの成分を不安に思わずに部屋でくつろげるように、どんなものでも便利であるだけではなく、安全でなくてはなりません。その点では、地球上に広く分布しており豊富に存在し、安定で安全な物質でありながら、非常に多岐に渡る機能性も持つケイ素に並ぶ元素はないかもしれません。

ナノナイン.comのスマホコーティングは、そんなケイ素の恵みを生かした先端素材です。是非、寒い時期もあなたの大切なスマホとともに、温かい思い出をたくさん作って下さいね。

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